500万円の運用では、70歳までの10年間で800万円、1000万円などと、老後資金を増やすことを目指します。具体的に、投資で資産をいくらに増やせるかを知りたい場合は、図表1が便利です。

 縦の列には運用年数、横の行には運用利回りをとっています。投資資産の金額に係数をかけると、資産がいくらになるかがすぐ計算できます。たとえば、運用利回り5%で10年間運用ができた場合、500万円が「×1.629」で814.5万円になる、というわけです。

 なお、500万円といわず、800万円、1000万円と、より多くの投資資金を確保できた場合は、より少ない運用利回りでもお金を多く増やせるため、無理しない運用で済むようになります。

70歳までにその資産を増やす、投資の基本戦略

 60歳以降は、60歳までに用意した投資資金を投資に回しつつ、70歳までの勤労収入の一部(毎月1万~5万円程度)の積立投資を10年間続けて行うのが基本戦略です。

 仮に10年間、積立投資をした場合、資産総額がいくらになるかをまとめたのが、次の図表2です。

 縦の列には毎月の積立金額(1万円単位)、横の行には運用利回り(1%~7%)をとっています。縦と横の交わるところにある金額が「毎月の積立金額が○万円・運用利回りが△%だった場合の資産総額」です。

 運用利回りと言われても、どの金融商品に投資をすると、どのくらいの運用利回りが得られるのかイメージがわきにくいかもしれません。

 日本は人口が減少していますが、世界の人口は今後も増加していきます。2023年の世界人口は80億人を突破、国連の予測では2058年には100億人に達すると推計されています(国連人口基金「世界人口白書2023」)。

 人口が増えれば、消費が増え、生産も増え、経済は右肩上がりで拡大していくと考えられます。IMFが半年に1度発表している「世界経済見通し(World Economic Outlook)」(2024年4月)によると、リーマンショックのあった2009年やコロナショックのあった2020年などは一時的に成長が鈍化していますが、それ以外の年を見ると、世界経済はおおむね年3~4%程度ずつ経済成長しています。