大阪・神戸の都心部を迂回しても、最安料金が適用される
さて阪神高速は、今回の料金改定に合わせ、新たな割引制度を導入しました。“割引制度”とはいいつつも、上限料金を改定した上での割引なので、値上げになってしまう長距離利用者にとっては不満の残る内容とはなりますが、これまでの上限料金以下の距離を走行する利用者にとっては、特に大阪、神戸両都心部での渋滞緩和に期待が持てそうです。
まず「大阪都心迂回割引」は、4号湾岸線、6号大和川線の「三宝JCT」以南の各出入口と、「吹田JCT」以遠(大山崎~茨木の各IC)、「門真JCT」以遠(巨椋池~寝屋川南の各IC)、東大阪JCT以遠(大東鶴見~吹田、中野~宝来の各IC)を相互に通行する場合、料金計算の原則では割高になる6号大和川線~近畿自動車道経由でも、都心経由の経路と同じ最安料金とするものです。
この割引により、この区間の利用者は「距離は短いが混雑で時間がかかる可能性のある大阪都心」を避けての移動が可能となり、また事故等の渋滞を避けたルート選択の自由度も広がります。そして大阪都心部の利用者にとっては通過交通の減少により、渋滞の緩和が期待できます。
「神戸都心迂回割引」も迂回利用を推奨する制度で、7号北神戸線と第二神明が合分流する「伊川谷JCT」以遠の「玉津~明石西」の各ICと、「吹田JCT」以遠(大山崎~茨木、八尾~吹田の各IC)、「門真JCT」以遠(巨椋池~寝屋川南の各IC)、「松原JCT」以遠(松原~美原北、天理~藤井寺の各IC)、「東大阪JCT」以遠(中野~宝来の各IC)、「美原JCT」以遠(美原東~新庄の各IC)を相互に通行する場合、大阪都心迂回割引と同様に、中国道経由でも料金が割高にならないように調整されます。
実は2017~2018年の新名神高速「高槻JCT~神戸JCT」の開通までは、阪神高速と並び中国自動車道が、大阪と兵庫の東西間の大動脈を担っていましたが、中国自動車道は近畿以東と中国地方を結ぶ主要ルートでもあったことから、渋滞も起こりがちでした。しかし中国自動車道のさらに北に並行して走る新名神高速が開通したことで、中国自動車道の交通容量に余裕が生まれ、阪神高速の“迂回路”として機能できるようになり、この割引の実現につながりました。