
I(Issue/課題):解決すべき課題を把握する
P(Plan/計画):仮説を立て分析の計画を立てる
D(Data/データ収集):分析に必要なデータを収集し整理する
A(Analysis/データ分析):データをもとに分析し可視化する
C(Conclusion/結論):分析結果を検証し解決策を提示する
この課題→計画→データ収集→データ分析→結論というサイクルは、一度回せばいいものではなく、何度も回すことで、取り組むべき課題の解像度が高まり、有効な解決策や改善策を提案できるようになります。
こうした実験的思考のサイクルを回すフレームワークこそが、データサイエンスの最大の強みなのです。
データサイエンティスト業務の軸は
現場とのコミュニケーション
IPDACサイクルを何度も回して課題設定の深掘りや必要なデータを充足していくことができれば、ビジネスの現場におけるデータ分析のもたらす洞察の価値は格段に上がるはずです。
一方で、IPDACサイクルを回す上で最も重要な要素は、実は幅広いデータ分析手法・モデルに関する知識や経験などのデータ分析能力だけではありません。それと同じくらい大切なのは、社会人として基本中の基本とも言われるコミュニケーションなのです。
職種としての目新しさと最先端の技術を扱うというイメージばかりに目が行きがちですが、データサイエンティストの業務は、基本的にはどのプロセスにおいても現場との協業なしには成り立ちません。
IPDACの5つのプロセスを見てもらえばわかりますが、すべての工程において、データサイエンティストは現場との協業が求められるのです。
課題設定はマネジメントのプロの仕事、その後の分析はデータのプロの仕事などと分業化するのではなく、それぞれの知見を出し合いながら課題設定から始まる各ステップを共に進めていく。これがデータ活用の真髄と言えるでしょう。
そのプロセスにおいては、経営者、営業担当者、商品開発担当者、マーケティング担当者など、さまざまな現場とのコミュニケーションが必要になります。
単に与えられたデータに対して最新のデータ分析手法を適用するだけでは、ビジネスの本質的な課題解決には至りません。
現場をよく知る経験値とデータサイエンス思考、この両方が組み合わさることで、初めて飛躍的な成果につながるのです。