英語を得意科目にすれば、高校受験を有利に進めることができます。

 高校だけではありません。大学受験においては、英語は高校受験よりはるかに重要です。理系・文系を問わず要求される科目であり、多くの試験では英語の配点が最も高く設定されています。

 大学入試には「英語4技能試験」という、保護者の時代にはなかった新しい試験形態が新設されています。この試験は、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を評価し、得られたスコアに基づいて、大学入試の点数加算や英語試験の免除が行われるシステムとなっています。高校生が受験する代表的な検定としては、英検、GTEC、TEAPなどが挙げられます。

 小学生のうちから学習して習得した英語のスキルは、高校受験だけでなく大学受験を有利に進める強力な武器となります。

図表:商学部の大学入試配点の一例同書より転載 拡大画像表示

中学1年という早い段階で
英語に挫折する子どもたち

 小学生の英語学習は、勉強が得意な子の専売特許ではありません。勉強が得意ではない子にとっては、小学生のうちに英語を学習することで、中学校での学習の「守り」の策として機能します。

 公立中学の英語のレベルは、驚くべきスピードで上がっています。2020年度の学習指導要領の改訂、小学校の英語教育の必修化が転機でした。中学3年までに習得すべき単語は1200語から1600~1800語へと増加し、高校で学ばれる仮定法や原形不定詞などの文法事項が中学に降りてきました。

 この変化は、学力が高い子にはチャンスとなりました。公立中学校の生徒は、難しくなった定期テストにもしっかり適応することで、英語力が大幅に向上し、大学受験へスムーズに進めるようになったのです。

 しかし、逆に勉強が得意ではない子にとっては、中学1年という早い段階での挫折のリスクが増加しているのも事実です。入学前に基本的な英文法や単語の綴りをある程度習得していないと、中学校の学びの速度に適応することが難しくなります。