過去から何億万もの命が紡がれ、あなたの“今”があります。命を授けてくれたご先祖様、大切に育ててくれたご両親、すべてのご縁に感謝し、今を懸命に生きることが、“幸循環”の源となります。

 もっとシンプルに言うならば、まずは「半径3メートル以内の人を幸せにする!」という意識を持ちましょう。

 例えば、会社の中で、半径3メートル以内にいて一緒に仕事をしている仲間というのは、互いにとても大きな影響を与え合う存在です。そこで起きる出来事や交わされるやりとり次第で、職場という世界は天国にも地獄にもなり得ます。

 不用意に傷つけたり、おとしめたりしないよう、愛を持って接すること。優しい心で激励すること。感謝の気持ちで言葉を選ぶこと――。“幸循環”を意識し、細やかに気を配ることがとても大切です。

 人はみな愛の中で生きています。一人ひとりが、愛に包まれ“今”を生きる幸せに気づいて感謝すれば、誰もが優しい気持ちになって、大切な人に愛や幸せを送る連鎖の一端を担えるはずです。

うまいプレゼンよりも
愛を感じるプレゼンを

「プレゼンが苦手」「自分なんかとてもじゃないけどうまく話せない」そうおっしゃる方がいます。でも私はいつも「うまい下手じゃないの、愛があればいいんだよ!自信を持って!」と背中を押しています。

 私は起業志望者向けのイベントやビジネスプランコンテストなどで、大勢の方のプレゼンテーションを見聞きする機会がよくあります。

書影『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)
高橋ゆき 著

 中には立て板に水とでもいうように流ちょうにお話しされる方もたくさんいます。

 でも、どんなに流ちょうな語り口で「うまい」と評価されるようなプレゼンでも、言葉ばかりが上滑りして、心がこもっていない、作り物のように感じてしまいます。

 一方で、心に残るのは愛を感じるプレゼンです。途中で言葉が詰まったり、かんで何度も言い直したりしたとしても、「私がつくりたいのは、みんなが笑顔でいられる社会です」など、その人の夢や目指す世界観、それを実現するために今何をしているかを真摯に語ってもらった方が、ずっと心に響きます。想いが伝わり愛を感じるからです。

 プレゼンはうまく見せようと肩肘張る必要はありません。下手でもいい。誰だって等身大のあなたの、ありのままの、真心のこもった、愛にあふれたプレゼンが聞きたいのです。