ご当地感の権化のような置き物を眺めながら「本当に大事にするかな。部屋の中に置く場所があるかな。どうせすぐ飽きるんじゃないかな」などと考えてしまい、なかなか手が伸びません。

 しかし、なんだかんだ理由を見つけて購入すると、堰(せき)を切ったように次々と購入してしまいました。たかだか数百円~千円の価格。この地に来ることはもうないかもしれない。買う後悔より、買わない後悔だ――。

 初めの買い物でテンションが上がってしまって、不合理な行動を取りやすくなっていることに気づいていません。

 買いたければ買えばいいと思います。ただ、自分の行動が不合理なものでないか、常に考えるべきでした。

 自分の中に潜む不合理は、さまざまな場面で表出します。

 例えば、家電量販店で、赤字で価格が表示されていたら、「お、安いかも」と思って手を伸ばしませんか。

 閉店間際のスーパーで30%引きの商品を見つけ、食べられない量を買ったことがありませんか。

 2000円のタクシー代を払うことを惜しんで深夜に家まで歩くけれど、2000円の還付金は手続きが面倒だから簡単に諦めていませんか。

 同じ2000円であっても、常に同じように頑張れるとは限りません。なぜならヒトは不合理だから。不合理な行動は、必ずあなたの資産を蝕みます。

「これもオススメ」に弱い人が
やっておくべきこと

 一つ買うと、ついつい他の商品も買ってしまう人は、まずは自分にそのような傾向があることを理解しましょう。

 一つ買ってから、一度立ち止まって考えてみます。

「今の自分はいつもの自分と違う。テンションが上がっているだけだ。少し冷静になってから、買うか買わないか判断しよう」

 そうすることで、無駄な買い物をぐっと減らすことができます。

 洋服を買うときも、魅力的なシャツやワンピース、ジャケットを見つけて、すぐに購入していませんか。

 どんな時に着るのか、組み合わせられる服があるか、どれくらい着るか、それらを踏まえてその服のパフォーマンスが価格に見合っているか、考えてみてください。

 着る機会がほとんどない服を買ってしまったことはありませんか。