老親の療養コスト負担に
現役世代は耐えられない
現在、日本には約1000万人の認知症患者がいます。身寄りのない人を除き、家族や親族が介護などのサポートを担うことになります。その主な担い手は現役世代の子どもたちです。ご存じの通り、今日では実の子どもであっても、親名義の預金口座から勝手に引き出すことはできません。
建前上は成年後見制度を利用することになりますが、親子ともども他人の管理下に置かれるような状況を望む人はほとんどいません。そのため、現役世代の子どもは、とりあえずコストを肩代わりしながら老親を支えることになります。
問題は、終末療養期間が長期化傾向にあることです。本来なら親の財源で充当すべき医療や介護や生活支援にかかるコストを、立て替え続けるだけの経済的余裕がない現役世代がほとんどなのです。老親に多少なりとも蓄えがあれば、何とかしてそれを使えないかと考え始め、私どもの事務所に相談に来る人も出てくるのです。