丸亀の「うどーなつ」
“ニュービジネスとして筋がいい”3つのワケ
そして最近ですが、生ドーナツが10代から20代女子にブームです。「ミスタードーナツのメニューでいえばエンジェルクリームのような」というと身も蓋もない表現ですが、ふわっとした生地にじゅわっとするクリームがたっぷり入っていて美味しいのが生ドーナツです。
生ドーナツは美味しいですし、ブームに水を差すつもりも毛頭ありません。
ただ、コンビニでも類似品が売られるほどの状況になってくると、未来予測専門の経済評論家としては頭の中に懸念がなんとなく湧き上がってくるのです。
さて、ここでの本題は生ドーナツではなく丸亀製麺の「うどーなつ」です。現在はクリスピー・クリーム・ドーナツから数えて第三次ドーナツブームだとも言われているのですが、そのブームに乗って登場した感のある「うどーなつ」、果たして大丈夫なのか?という話です。
ここまでのちょっと暗いイメージのエピソードから入っておいて何ですが、私の見立てでは「うどーなつ」は結構筋がいいという話をしたいと思います。
そもそもこの「うどーなつ」、かなり美味しいです。
ひとくちで食べられるボール型の小さなドーナツで、原材料の30%は丸亀製麺のうどんです。これが物凄くもちもち感がある。だから見た目は小さくても食べ応えは相当あります。
店頭で「きび糖味」と「カレー味」どちらかのパウダーをかけて、紙袋の中でシャカシャカと混ぜるタイプです。
おそらく初動としては「きび糖味」の方が人気なのでしょう。なぜなら個人の感想として美味しいというだけでなく、私が購入したときには、きび糖の方がタッパの中で残りわずかな分量に減っていたのです。
一方で、友人によればカレー味ときび糖味のパウダーを混ぜると絶妙な甘さのキーマカレー味になるそうです。SNSではこういった食べ方がバズるかもしれません 。
ただ飲食業をされている方なら誰でも経験があるように、美味しい商品が売れるわけではない。ここが新商品開発の難しいところです。
しかしこの「うどーなつ」、売れるかどうかは別にしても、成功する新事業の条件を実にうまく満たしているのです。今回の記事では「筋がいい理由」を3つの切り口から説明したいと思います。