オンライン会議の利用拡大で
多発する悪い冗談のような会議

 コロナ時代を経てオンライン会議の利用拡大に伴って移動時間が減り、会議実施数や会議参加時間数が飛躍的に増えました。ここでいくつか問題が出てきています。

(1)議論中
「何の話をしてるんだ?この話さっきもしてたような……」と思った経験はありませんか?話題の中のどの部分をどの深さで議論しているのかが見えなくなる。そんな会議が大半だったりします。その結果発生するリスクを列挙します。

・議論内容や進捗が掴めない
・議論が飛びやすい
・議論の深掘りができない
・同じ話題を繰り返す

 当然いくら会議をやっても進みが悪くて疲れる。ストレスフル。会議を懸命にすればするほど徒労感が増えていくばかりです。

(2)議論後
「前回どんな結論になったんだっけ?」と思ったことはありませんか?何の議事録もメモもない会議の場合、せっかく交換された情報や議論内容が霧散し、会議がなかったことになってしまいます。その結果、こんなリスクが発生します。

・過去に行った議論を振り返れない
・また同じ内容の会議を設定することになりかねない
・お互いの認識のズレが発生

 前回の会議メモがないとその議論を振り返ることができず、今回の会議の論点がわからなくなってしまいます。そのため、経緯の確認からやることになり、会議時間がそれだけで終わります。時間切れで改めて会議の設定をし、これが繰り返される。悪い冗談のようですが実話で、多くの企業で起きています。

 ここであげたようなリスクが、例えば顧客への働きかけのスピードが落ちてしまったり、生産性が下がって労働時間は増えたりし、メンバーの成長を阻害するなどの2次被害につながっていくのです。

「美味しいラーメン」って何?
会議で大事な言葉の定義

 ここからは、会議の生産性を下げる要因の代表例を紹介します。

 まず言葉の定義が異なるとはどういうことかについて説明します。「美味しいラーメンが食べたい!一緒に行こう!」と言われた時に、美味しいとは何かについてすり合わせができていないとお互いが満足するラーメン屋に行き当たりませんよね?