お笑い芸人の多くを束ね、テレビ番組の企画から映像作品、さらにはラジオのパーソナリティまで、さまざまな分野で活躍中のプロデューサー・佐久間宣行さん。ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するが、現在、佐久間さんはこの問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することでも大人気。そんな佐久間宣行さんが書いた初のビジネス書が『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。2023ビジネス書グランプリを受賞したこの本は、SNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。(初出:2023年7月20日)
出る杭は打たれる
出る杭は打たれる。
足並みを乱せば、後ろ指を指される。
これはもう、ある程度は仕方がない。
モチベーションも違えば意識も違う、バラバラの人間が集まる「組織」にいるのだ。
そういうものだと受け入れよう。
陰口を言われても図太くいく
ただ、ひとつだけ言えるのは、陰口が自分の耳に届いたとき、それでも自分の意志を貫ける人だけがやりたい仕事に取り組めるということだ。
周囲の目が気になって、萎縮する気持ちはわかる。
でも、陰口を避けたければ、「無難な仕事」をするしかない。
それではつまらないし、もったいない。
せっかく挑戦できる環境にあるのであれば、聞く耳を持たず図太くいこう。
陰口は単なる酒の肴
そもそも陰口は、あなたの将来を思っての苦言ではない。
単なる刹那的な娯楽、酒の肴に過ぎない。
そんなものは受け止める価値がないし、聞く必要もない。
これを気にして「チャレンジ」を諦めたら、数年後、まわりと同じ仕事を漫然と繰り返している自分に気づいて絶対に後悔する。
悪口なんて右から左にスルー。
目の前の仕事に突き進むのがいちばんだ。
他人の陰口をたたきたくなったら
逆にだれかの陰口をたたきたくなったらどうするか。
組織で働く以上、気の合わない人がいることは仕方ない。
でも、飲みの席が愚痴大会になったり、社内に嫌いな人が多いと感じるときは、「自分が」相手の欠点に目を向けやすい状態になっているのかもしれない。
悪口は気持ちがいい
悪口を言うことは、褒めるよりずっと簡単だ。
人の悪いところはすぐに見つかるものだし、それをだれかと言い合えばすぐに盛り上がれる。
変な連帯感も生まれて一見「コスパ」よく感じてしまう。
でも、自ら嫌いな人を増やしていては、楽しくなんて働けない。
心穏やかに過ごしたいと思うなら、「悪口を言わない」ことからスタートしよう。
悪口は具体的なリスクもはらむのだから。
悪口は必ずバレる
どれだけ「ここだけの話」と言ったとしても、悪口は必ず相手に届く。
個人への悪口しかり、会社の悪口しかり。
自分に対する陰口だって耳に入るのだから、逆も同じ。
自分のブランドが汚れたら損
悪口を言われて、気持ちのいい人なんていない。
相手もあなたを嫌いになる。
いつも悪口を言う人だと認識されると、自分のブランドも汚れてしまう。
悪口は「コスパ」が悪い
まわりは「いつ自分の悪口を言われるかわからない」と警戒するし、「ネガティブな評判を立てて人の足を引っ張る人」と思われれば信頼も失う。
いざ自分が本気でなにかを訴え出たとき、説得力が下がるというリスクも大きい。
オオカミ少年の悪口バージョンだ。
とどめを刺すためにも悪口は控える
一方、普段から悪口を控えていると「あまり人を悪く言わないあいつが、そこまで言うなら信じたほうがよさそうだ」と真剣に取り合ってもらえる。
結果、確実にトドメを指せる。
悪口は「ここぞ」というときにとっておく
「文句ばかり言う人」だと信頼を損なわないためにも、本当に困ったときに効果的な告発ができる人間でいるためにも、悪口は「ここぞ」というときにとどめよう。
僕は悪口を言わないタイプだから、いざというとき、いつも周りが信じてくれた。
それが組織で生きていくうえでも、「個」として立っていく中でも、強い武器になっている。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)