10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭にも取り入れられるそのノウハウを紹介する。
イメージするには、何かしらの道具や具体的なモノが必要
数をイメージできるようになるため、そろばんを習うのがおすすめなように、「イメージする」というのは、何かしらの道具・具体的なモノがないと、なかなかうまくいきません。
例えば、10dLは1Lです。もちろん、これを知識として暗記することはできます。けれども、ただ暗記するだけだとすぐに忘れてしまいますし、深い部分で理解するのは難しいでしょう。問題のレベルが上がれば上がるほど、こういう基本的なところを具体的にイメージできているか否かが大切になってきます。
おそらく、「小さいうちはどろんこになって遊んでいればいいんだ」という方々も、こういうことをおっしゃっているのでしょう。紙の上だけで覚えるのではなくて、手を動かし、体験として学ぶことが大切だということだと思います。
抽象的概念をきちんと理解するためには、目に見えたり、実際に手で触れられるような具体的なイメージに落とし込むことも大事です。
実生活の中で、イメージできることを増やす
りんご塾でも、ブロックを使って立体を作る遊び(P102~参照)を取り入れていますが、ご家庭においても、お子さんと一緒に遊びながら算数のイメージ力を鍛えていけるといいですね。
いくつか例を挙げておきますので参考にしてみてください。
・立方体をイメージするために、サイコロを紙で作ってみる
・ピザやケーキをカットして、分数の概念を視覚化する
・建物や自然界にある図形を探してみる
・家から学校までの距離を歩いて測る
・地図を使って距離を計測する
・予算を決めて買い物をする
・スーパーでかごを持たせて、1kgになるように商品を入れさせる
*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。