おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

「老後も関係が続く友達」「関係が切れる友達」を分けるシビアな現実Photo: Adobe Stock

「老後友達」になるためにもっとも大事なものは

 学生時代や会社の仲間たちとだけ付き合っている間は、生活レベルもお給料も、もともと似通っている場合が多いので、「金銭感覚の一致」を友達の条件として考えることはあまりないかもしれません。

 しかし、老後の友人となると、それは結構大事なのではないかなと思います。

 老後にどのくらいお金に余裕があるかは、本当に人それぞれ。
 バリバリ稼いでいた人でも子どもが多かったり教育にお金がかかったりして老後に使えるお金は少ないという人もいるでしょうし、逆に、独身者で貯金をしっかりしていたりすると、使えるお金が多いということもあるでしょう。

「ちょっと食事をしよう」となった時や、趣味のイベントや旅行に出かけようとなった時に、どのくらいの金額までなら許容範囲かというのは、現役時代にも増して、切実な問題となってくるはずだと思います。

 外食は、“飲み放題3000円台”くらいまでという人と、ワイン1本1万円は当たり前という人とでは、食事にいくにもお互いに気を使ってしまうかもしれません。
 旅行に行くにも「せっかくだからもうちょっといいホテルに泊まりたいな」と思う人と「ホテル代に何万円もかけるなんて、大後悔」と思う人が一緒だとお互いに不幸です。

 ましてや、老後に残された時間は、若い頃よりも限られています。次また同じ旅先に、来られるかどうかも分からないからこそ、心から後悔なく楽しめるものにしたいという想いも強いはず。

 そういう意味では、老後は特に「金銭感覚が同じだな」と思える友達は、余計な気を使うこともなく楽ちんです。気兼ねなく一緒においしいものを食べたり、旅行に行ける友人は、大切にしてください。

*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。