直訳したら不自然すぎる
「デザートは別腹」を伝えるには

「デザートは別腹」という表現をよく耳にします。それを口癖にしている人もなかにはいます。では、これを直訳して、“I have another stomach for dessert.”と言ったとしたら、どうでしょうか。うーん、たぶん伝わるでしょうが、ネイティブが親しんでいるナチュラルな表現ではありません。

 では、「別腹」をどう言いあらわしたらいいのでしょうか。ネイティブは次のような定番フレーズを用います。

◆I(always)have room for dessert.
 (デザートは別腹です)
*dessert「デザート」(〔ディート〕と発音します。アクセントの位置にも注意してください)

◆I’ve(still)got room for sweets.
 (甘いものは別腹です)
*have got=have

 この“room”は「部屋」(可算名詞)ではなく、「余地/スペース」という意味をもった不可算名詞(数えられない名詞)です。Room for A(Aのためのスペース)というまとまりで覚えておきましょう。

◆A:I’m so stuffed. I can’t eat the rest.
 (お腹いっぱい。残りは食べられない)
 B:Then you’re probably too full for dessert.
 (じゃあデザートはもう入らないよね)
 A:No! I always have room for dessert.
 (ううん!それは別腹)
*be stuffed「満腹である」
*the rest「残り」
〈There’s...〉で始めることもできます。

書影『ネイティブにスッと伝わる 英語表現の言い換え700』『ネイティブにスッと伝わる 英語表現の言い換え700』(青春出版社)
キャサリン・A・クラフト 著、里中哲彦 訳

◆I’ve had enough, but there’s always room for cake.
 (たくさん食べたけど、ケーキは別腹よ)
*There’s always room for A.「Aの入る余地はつねにある」

 自慢のアップルパイをつくったホストが、ゲストに次のように言ったりします。

◆A:Don’t eat too much. Make sure you save room for apple pie.
 (食べ過ぎないで。アップルパイを食べる余裕は残しておいてね)
 B:Don’t worry. I still have room for dessert. I’ll go on a diet tomorrow.
 (心配しないで。デザートは別腹だから。ダイエットは明日からにするわ)
*Make sure you...「ちゃんと……するようにしておいてください」
*save room for A「Aを食べる余裕は残しておく/Aのために腹八分にしておく」
*go on a diet「ダイエットをする」