就活サロンには要注意

 就活の情報に関する注意点の2つ目は、怪しげな「就活サロン」についてです。

「現役社員が教える、こういう学生が内定する」「ここでしか聞けない現役社員の内定必勝法」といった内容を謳ったオンラインサロンをよく見かけますが、近寄らないのが得策でしょう。不安な就活生の心理を逆手にとって、利益を得ようとするよこしまなビジネスです。

 まともな企業なら、現役社員に企業の内情を外でしゃべらせたりはしません。内定者や現役社員には、採用に関してSNSに投稿したり、ましてや動画配信をしたりすることを固く禁じている企業もめずらしくありません。

情報交換もほどほどに……

 注意点の3つ目は他人をマウンティングしてくるような態度の人には近づいてはいけないということです。

 尋ねもしないのに「すでに内々定を5つ持っている」と自慢してくるような同級生や、一部の就活系ユーチューバーなど、企業や不安な就活生に対して、やたらと「上から目線」で批評をおこなう当事者意識のない人々が典型例です。

 就活はあくまで自分自身が、自分自身の意思で、当事者意識を持って行うものです。決めるのは本人です。

 通っている大学や、自分が受ける企業を勝手にランクづけされたり、企業や就活生としてのあり方を他人にジャッジさせたりしていいものではありません。

 自分が一生懸命企業研究をした結果、「この企業が向いている」と思うならそれが正解です。

 また、内定をいくつも持っているような人が雄弁だったとしても、劣等感を抱く必要は一切ありません。

 面接で一瞬言葉が出てこなくなったりしても、まともな企業ならそんなことで就活生を減点したりしません。

 大事なのは、その人が当事者として、どのような思いで、どのような能力を活かして仕事をしたいと思っているか、という“内容”にあるのです。

 当事者意識を持って就活できているなら、どうか、他人の言葉にまどわされず自信を持って活動を続けてください。きっと納得のいく就活となるはずです。

福重敦士(ふくしげ・あつし)
株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースHD営業局長
43年続く「ダイヤモンド就職人気企業ランキング調査」で毎年上位にランクインする超大手・人気企業の採用コンサルティングを手掛ける。メーカー、商社、金融、インフラ、マスコミ、コンサル等、採用マーケットを知り尽くしたカリスマ営業パーソン。同社のLIVEセミナーの講演も主宰する。