「ホンダと日産に三菱自が新連合を組む」。かねて日本の自動車産業界は国内モータリゼーションの進展を支えたトヨタ・日産の両大手時代が続いたが、90年代のバブル終焉とともにその体制は終わり、日産は外資の仏ルノーによる再生救済の道を選び今日に至る。ホンダは、独自の自立路線を歩んできたが、一時の世界拡大路線を修正した上で、ソニーグループや米GMとの連携など、三部ホンダ体制になって“提携路線”を一気に進めている。

 3社協業による次世代SDVの量産実現にどれだけスピードアップできるか、投資資金を捻出するために3社は業績好転を実現できるのか、誰が新連合の主導権を握るのか、仏ルノー提携との兼ね合いや3社間での新たな資本提携などなど、まだまだ不透明な点は多い。

 また、トヨタ連合への対抗だけでなく、米テスラや中国・BYDなどの新興勢力を含めた競合に打ち勝てるのか、という部分も未知数だ。それぞれが「お家の事情」を抱えているだけに不安な部分もあるが、日本の自動車産業あるいはモビリティ産業の健全な発展のためにも、「トヨタ連合」に対抗し得る「ホンダ・日産・三菱自連合」に大いに期待したい。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)