正解は 1,2,3,4 すべて
解説 これらすべての選択肢が、株式相場の暴落リスクが高い状態を示すため、警戒が必要となります。
①株式相場に関わる人たちの多くが楽観的なときは、短期的に株価は上がるかもしれません。しかし、どこかのタイミングで、必ずしわよせがきます。
2021年の米国株相場がそうでした。専門家を含めて多くの人が、上がり続ける米国株相場を楽観視していましたが、2022年に入ると一転、下落トレンドが続きました。
株式相場は、いつまでも上がり続けることもなければ、下がり続けることもありません。雰囲気にのまれて楽観視するのではなく、冷静に現在の株価水準は妥当なのかをチェックしましょう。
ブームになったら要注意
②ブームになって未経験者の多くが投資をはじめるような状況は、投資の格言「靴磨きの少年が株の投機に浮かれていたら大暴落の前触れ」というのと同じことです。
国民のほとんどが投資をしているという状況は、少なくとも日本国内には「もうこのあとに株を買う人がいない」という状態です。
未経験者の多くが
急に投資をするようになったら
2017年後半から2018年初頭にかけて、暗号資産「ビットコイン」がブームとなり、それまで投資をしたことのなかったお笑い芸人さんもテレビなどでビットコインの売買を話題にするまでになりました。
そのブームにのって多くの未経験者がビットコインを買い、価格が数倍に急騰。そして、暴落しました。その後、2020年後半からも、同様の乱高下がくり返されています。
未経験者の多くが急に投資をするようになったときは、基本的に“売りサイン”です。
パンデミックが起こると
③は、国民の行動が一変したときの例ですが、実際に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)のときに起こったことでもあります。
一斉に外出が自粛されると、外食や旅行、鉄道・航空などの業界は大打撃を受け、業績が一気に下がります。
その半面、ネットの娯楽やオンライン会議システム、食料宅配など、在宅需要をとり込む業界の業績は上がりますが、株式相場全体でみれば、やはり暴落するのです。
平均PERが80倍
という水準とは?
④東証プライムの平均PERが80倍という水準は、「東証プライム上場企業を1社丸ごと全部買ったとしたら、(現在の利益が継続するとして)投資したお金を全額回収するまで80年かかる」ということです。
東証プライム全銘柄の加重平均PERは2024年7月現在で22.5倍ですから、PER80倍というのはかなり割高な水準です。
所得が増えているので一見よさそうに思えますが、物価も上がってインフレ(インフレーション)が生じている状態です。
ポイント 一気に注目を集めたり人気が高まったりすると急上昇・急下落になりがち
※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。