e:HEVハイブリッドは圧倒的に力強くスムーズ
幅刷新の1.5Lガソリンも気持ちいい
走り面の最大の変更点は、ハイブリッドが1モーター2クラッチ式のi-DCDから、2モーターe:HEVシステムになった点だ。登場直後に熟成不足を指摘されたi-DCDが、新世代e:HEVに。e:HEVはヴェゼルなどと同じ1.5L直4アトキンソンサイクル(106ps/127Nm)と2モーター内蔵CVT(122ps/253Nm)の構成。販売の中心となるe:HEVは、i-DCDよりずっと乗りやすい。e:HEVは低~中速走行時はシリーズ式ハイブリッド。低負荷の高速走行時にはパラレル式になり、必要に応じてエンジンがかかる。発進から80km/h程度まではモーター駆動が主体で、リニアさとスムーズさが際立つ。エンジン主体に移行しても静粛性はそのままで、しかも力強い。
乗り比べた従来型のi-DCDはだいぶ改善が進み、ギクシャクしにくくなっていた。それでも、e:HEVのスムーズさと力強さには遠くおよばない。新型は4WDを大幅に刷新したのもニュース。雪道だけでなく雨天走行時などでも、4WDのメリットが実感できるという。
1.5Lガソリン(118ps/142Nm)も、いろいろ進化していることが確認できた。機構的には直噴ではなくポート噴射となるのが特徴で、フィットに対してローレシオ化したCVTが組み合わされるほか、制御においても新しい方向性を取り入れている。
たとえば、ステップアップ/ダウンシウト制御の採用で、全開加速時のフィーリングが人間の感性にあったものになり、下り坂やコーナー進入での減速時の安定性が増大。次の加速に備えてくれる。
加減速時の不快な車体の揺れを抑制する制御の導入もニュースだ。従来はアクセルオフ時に一気にフューエルカットしていたのだが、新型は段階的に行う技術で、車体の揺れはほとんど気にならないほどゆるやかになった。これには大いに感心した。
1.5Lガソリン車は、非常に扱いやすい乗り味に仕上がっていた。踏み込んだときにはホンダの4気筒エンジンらしい元気なサウンドを聞かせながら爽快に吹き上がり、楽しい。新型はアイドリングストップ機構未搭載。いろいろな意味で見識である。歓迎する。