子どもの頃に「おとなしい」と言われて嫌な思いをした方は多いのではないでしょうか。言っているほうは悪気はなくても、「おとなしい」という言葉にはどこか否定的な響きがあります。「内向的」という意味合いが込められている場合が多いからです。「外向的」な性格で悩んでいる人には会ったことがありませんが、「内向的」であることはよくないことと世間では受け止められてきました。しかし「内向的」な性格にも長所はたくさんあるのです。
脳科学研究の第一人者であり、NHK Eテレ「スイッチインタビュー」ゆりやんレトリイバアさんと対談したことでも話題の西剛志先生が、最新の脳科学研究から明らかになった、「おとなしさの真実」と「性格をリセットして成長させる方法」をお伝えします(本記事は『「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法』西剛志(ダイヤモンド社)より抜粋したものです)。

リストから4つ選んで実行するだけ! たった1ヶ月で性格をシフトできる「100の行動リスト」とは?Photo: Adobe Stock

毎週4つ、実践しやすいものを選んで実行する

 誰でも性格をシフトできるように、「性格がシフトしやすい100の行動リスト」を用意してみました。行動を変化させるアプリ「PEACH」にも入っている具体的な70以上の行動リストと、ハーバード大学の行動分析学者バラス・スキナーが提唱する「スモール・ステップス」という学習理論を認知行動療法に応用したもので、実行可能な小さなプロセスをリスト化したものです。

 まずは、このリストの中でやってみたい行動をいくつか選んで、その中から毎週4つ実践しやすいものを選んで実行してみてください。そして、成功したことを週末にパソコンやスマホ、ノートなどに記録します。

 翌週になったら、さらに新しい4つの行動を選んでみます。前週よりも難易度を少しだけ上げてみるのもおすすめです(「プロジェクトのリーダーをかって出る」などの難易度がかなり高い行動よりも「SNSで前向きなコメントしてみる」などギリギリがんばればできそうなものを選ぶほうがベターです)。

リストから4つ選んで実行するだけ! たった1ヶ月で性格をシフトできる「100の行動リスト」とは?
リストから4つ選んで実行するだけ! たった1ヶ月で性格をシフトできる「100の行動リスト」とは?
リストから4つ選んで実行するだけ! たった1ヶ月で性格をシフトできる「100の行動リスト」とは?

 これを1~数ヶ月実践してみると、成功体験が増えることで、消去学習が起き、性格がリセットされ成長していく効果が期待できます。無理のない範囲で実践してみてください。

 神経症傾向が高い人は、まずは神経症傾向を下げるための行動を実践すると変化がスムーズになります。内向型の人は神経症傾向が下がると、社会的スキルが高まりやすくなることもわかっています。シフトさせたい性格だけでなく、いつもはあまりやらないようなバリエーション豊かな行動も取り入れると、より変化が実感しやすくなることがあります。

 ちなみに、内向型の人は、誠実性と人間関係に関するスキルが高まると幸福度が高まります。「食器は使い終わったら、すぐに片付ける」など、どんな小さなことでもよいので、誠実性を高める行動ができると、幸福度が上がるということです。

 外向的な人と内向的な人は、全く真逆の行動をしているという訳ではありません。2万人のリサーチからも、外向型と内向型は意外と行動が重複する部分が多いことが知られています。外向的な人は内向型よりも、5~10%だけ中程度の外向的な行動が頻繁に見られることがわかっています。

 つまり、内向型の人は5~10%だけ外向的な行動ができれば、外から見ても外向型のタイプになれるということです。少しだけ外向的、ちょっとだけ誠実性のある行動をとると、脳が消去学習によってシフトしていきます。是非、楽しみながら実践してみてください。1週間かけて4つの行動を実践できたら、さらに少し高いレベルの行動にチャレンジするとより性格がシフトしやすくなります。

※本記事は『「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法』西剛志(ダイヤモンド社)より抜粋したものです。