「ガチンコ」入試を
皇族にさせる必要はない
そもそも皇族に「ガチンコ」で入試などさせる必要はない。これまでも、入学、進級、留学などで実力など問われていない。学習院については皇族の状況に合わせて規則を変えるとまでいわれてきた。ただし、入学後、授業についていけないと困るとの理由で不合格にされた皇族もいる。
だから、悠仁さまも、背伸びしてついていけないレベルのところには入らない方がいい。東京大学は日本の大学としては珍しく留年させられることも多い。悠仁さまが留年回避に過度に時間をとられるのは良くないと思うので、私は個人的にはあまり賢明な選択とは思わない。
しかし、学問をするには環境がいいので、ぜひチャレンジしたいと仰るのなら止める理由はない。英国の王族も実力不相応のオックスフォードやケンブリッジに行っているわけで、王族たちが国のトップクラスの恩師や学友を持つのは本人にも国にとっても財産になるに決まっている。かつて上皇さまも東京大学受験の可能性をマッカーサーに話されていたことがある。
そもそも、なぜ、ほかの国立大学や有力私立大学は受けてもよくて、東大だけ避けなければならないのか、悠仁さまに説明しようがあるまい。
私は1年前に、「悠仁さまがご進学すべきは『東大ではなく早慶』評論家が語る理由とは?」という記事を書いている。
記事を書いた背景にあったのは、学習院の一部の卒業生たちによる秋篠宮家への批判だ。
悠仁さまが幼稚園以来、学習院を選ばれなかったことについて、学習院の一部の卒業生たちは怒り、大学は学習院に進学すべきと執拗(しつよう)に主張。OGの藤澤志穂子さんは、『学習院女子と皇室』(新潮新書)という本を書き、秋篠宮家にはノブレスオブリージュという意識が足りず、その表れが両殿下が学習院の同窓生としての活動をしないことだとか、悠仁さまを学習院に入れなかったことだといったことを書かれた。
だが実際は、秋篠宮さまと秋篠宮妃紀子さまは、公務を好き嫌いなくやれといわれたらやらねばという姿勢であり、ノブレスオブリージュの模範生である。学習院を母校として大事にするかどうかなどは関係ない。