国際性を身に付けるためにも
早い時期に海外留学すべき
その藤澤志穂子さんは、先日「『東大卒の天皇陛下』にこだわる必要があるのか…悠仁さまの『大学進学論争』に学習院OG抱く"強烈な違和感"」(プレジデントオンライン)という記事を、2年先輩である紀子さまへの手紙というかたちで書いている。
そこでは、昨年、さんざん学習院を選ばなかったことを糾弾していたのに、「悠仁さまが過去の皇族方の慣例を破り、学習院に進学されなかったのは、それほどおかしなことではありません」と手のひらを返し、さらに、学習院を避けたのは秋篠宮さまの意向であり、紀子さまの気持ちではないと思うと、出過ぎたことも書いている。
そして、東大は官僚などを養成する学校だから、天皇になる人には向かないという。だが、君主が日本最高峰の大学で将来の政治家や官僚と学ぶのは好ましいに決まっている。学部が違っても交流の機会はある。
また、研究者と一緒に書いた論文など、どの程度の貢献があったか見破られるに決まっていると決め付け、「入試には定員があり、1人が入れば誰かが落ちてしまう」から恵まれた環境にある皇族は入試で競争すべきでないというが、そんなものは東大に限った話ではあるまい。
そして、「海外の大学に進むという選択肢はある」とし、「ウィンザー城構内に生息するトンボ研究」とか「ホワイトハウス敷地内に生息するトンボ研究」でもしたらどうかという支離滅裂な締めになっている。
実は私も、海外の大学も視野に入れるというのは賛成である。国際性を身に付けるためには、天皇陛下や秋篠宮さまの世代のように大学卒業後に留学するのではなく、もっと早く出た方がいいと思う。
だから、例えば、学力的にも無理がない早稲田か慶應あたりに進学して、交換留学生制度を利用して、4年間のうち1年は海外に行かれ、その後は、仕事や遊びで随時、海外行きの機会を持たれたらよいのではないか。
もしくは、すぐに海外の大学に留学し、その後、帰国子女として国内で進学するのも、選択肢としては悪くないだろう。
ただ、国内の学習院以外の大学に、一般入試であれ、AO入試であれチャレンジするのは、国民を一人押しのけるからダメだとかいうのは、ためにする議論としか思えない。それから付け加えておきたいのは、悠仁さまは、マスコミやSNSでの理不尽ないじめに対して諦観されているようだが、怖いのは、天皇になることが予定されているプリンスが、マスコミや国民不信に陥ることだ。
(評論家 八幡和郎)