【解答例1】質問に対する答えが418のときは、

 418÷20=20余り18

 なので、表の最下段にある「18」に注目してx=6、すなわち6月生まれが導かれます。そして、

 3×6+20y=418
 20y=400

 と計算してy=20、すなわち20日生まれが導かれます。

【解答例2】質問に対する答えが536のときは、

 536÷20=26余り16

 なので、表の最下段の「16」に注目してx=12、すなわち12月生まれが導かれます。そして、

 3×12+20y=536
 20y=500

 と計算してy=25、すなわち25日生まれが導かれます。

「誕生日当てクイズ」は
なぜ盛り上がるのか

 なお、表は覚えなくても、仕組みの理解をしておけば、速やかに「月」、そして「日」を当てられます。もちろん、クイズの解答者が“計算間違い”をすると、質問者は誕生日を当てることはできません(このようなことはたまに起こるので、再度計算していただけるように、笑顔で対応するとよいでしょう)。

 この「誕生日当てクイズ」が男女2人だけの語らいでも、小中学生や高校生を相手にした多人数の講演会場でも、「なぜ盛り上がるのか」ということを考えると、次のことが思い付きます。

 一つは、皆が声を出して気軽に参加できること。普通、数学の小話は“聞くだけ”になりがちですが、誰もが自然に参加できることはうれしいのでしょう。小学校での出前授業では、クラスの生徒全員が手を挙げて「ハイ、ハイ、ハイ」と言って、各自の回答を述べたい気持ちを表します。このときの皆の表情は生き生きしていて、とてもうれしく思います。

 そしてもう一つは、「月」と「日」の2つを当てることを考えると、普通は、2元1次連立方程式、すなわち2つの式が必要だと連想するでしょう。それが、たった1つの式で「月」と「日」を当てることから、ごく自然に、「どうしてわかるの?」という数学として最も大切な興味・関心を抱くことになるからだと思います。