(3)FTI担当者が「氏名NG」(ママ)といった目立つ用語をことさらに用いてリストを作成した理由や経緯について、FTI担当者は「深く考えていなかった」と説明している。

(4)リストは「会見のテーマに関係する質問から先に受け付ける趣旨で作った資料」である。会見当日の作成とはいえ、ジャニーズ事務所や西村あさひ側に共有する時間的余裕はあったはずだが、共有しなかった理由について、FTI担当者は「深く考えていなかった」と説明している。

(5)現場スタッフを含む19人にまで範囲を広げてリストを配布した理由について、FTI担当者は「各記者の着席位置を確認するため」などと説明している。

 前出関係者によれば、会見の運営は元請けのFTI、下請けのA社、その下請け(つまり孫請け)のB社、さらにその下請け(ひ孫請け)のC社とD社という体制になっていた。

 FTIの「全体統括」はX氏。元財務官僚で前職の「ボックスグローバル・ジャパン」時代からPR業界では知らない人はいない大物だ。そして現場サポートのために下請けに入ったA社の担当者Y氏も元ボックス。さらにB社からは当日8人が進行、整列、プレス受付などを担当し、C社とD社からはそれぞれ4人と5人が誘導、プレス受付、受付管理、ムービー受付、スチール受付などを担当した。

 まるで建設業界のような多重下請け構造のなか、ジャニーズ事務所が会見に臨む覚悟が末端まで浸透していたのかという疑問は残る。