内部情報の流出経緯は
協力拒否などで特定できず
今回、スマイルアップがFTIに調査を求めたのはNGリストの作成経緯だけではない。関係者しか知りえない内部情報がメールで流出した経緯についても調査を求めた。FTI社員と前述の委託先のメンバーを対象に、業務用だけではなく、私用の電子機器を含めたフォレンジック調査や弁護士によるヒアリングが行われた。
ところが、結局データの流出元は特定できなかった。
関係者によれば、キーマンであるA社のY氏は心身の不調を理由に調査に応じず、スマートフォンなどのデータ提出にも応じないなど、協力を拒否したとされる。
また、B社、C社、D社の計17人のうち1人についてはスマホのLINEが「アンインストール」されていたほか、提出されたPCが「物理的毀損」による不具合のため起動せず、データの確認ができなかった。
別の1人についても、提出されたスマホについて初期化の作業が行われた可能性が高く、また会見当日に使用していた可能性があるもう1台のスマホについては壊れたので破棄したという理由で提出されなかったという。任意の調査にはおのずと限界がある。
FTIは報告書の結論として「独断で誤解を招く資料を作成し、しかもその資料が外部に流出するという、危機管理のプロとしてありえないことをした」という趣旨の謝罪をしたもようで、事実上100%の非を認めた格好だ。
もともとFTIは9月と10月の会見受託で合計数千万円にものぼるフィーをスマイルアップから受け取る契約だったが、これに伴って請求は取り下げ、反対にスマイルアップがすでに前払いしていた分の返金にも応じるという。