たいていの人は、自分の声に不満を持っていたり、嫌いだと感じていたりしても、声は、「生まれつきだから変えられない」「癖のようなものだから直らない」と諦めてしまう。

 ところが、これが大きな間違いなのです。生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声を想像してみてください。誰に教えられたわけでもないのに、あんなにも大きなよく通る声を出し、耳にした者の心に強く訴えかけてきますよね。

 また、力いっぱい泣いているのに、喉がかれるということもありません。それは、きちんと腹式呼吸をして、喉に負担のない声の出し方をしているからです。生まれつきというのなら、もともとは誰もが正しい声の出し方をしていて、生まれながらに知っているのです。

 たしかに、悪い声の出し方は、間違ってしまった癖のようなものかもしれません。自我が芽生え、言葉を覚え、生まれたばかりのころのように、リラックスして、何も考えず、自然に声を出せなくなってしまった。それがいつからか習慣化してしまい、すっかり染みついてしまったんですね。

 ただ、この癖は必ず直すことができます。何かの意識が邪魔をして正しく発声できなくなってしまったのなら、今度は正しい声の出し方をマスターし、意識して、繰り返し繰り返し体に染み込ませていけばいいのです。

 歯並びや耳鼻咽喉の問題、あるいは病気などに起因しているものでない限り、声の悪癖は100%直すことができます!

 私と一緒に正しいトレーニングを繰り返し、赤ちゃんのときにはできていた正しい声の出し方を覚え直しましょう!

「できる営業パーソン」だけが
知っている声の重要性

 悪い癖がついてしまった声の影響を、最も大きく受けるのがビジネスシーンではないでしょうか。声が通らない、聞き返される、滑舌が悪い、よく噛む、説得力がない。これらもすべてビジネスに直結するものばかりです。

 通らない声は、どこか自信なげに聞こえてしまい、安心感や信頼感が生まれにくい。通らない声の持ち主は、営業職には向いていないかもしれません。