不安がりやさんでもできる「プチ楽観主義」メソッド。あなたが難局に立たされたのなら、「弱みを見せてはいけない…」などと1人で悩んでいないで、他人を頼るべき。また、論理的な思考にとらわれず、好き嫌いや勘で物事を選択する練習を積めば、明日からちょっとずつラクに生きられるはずだ。本稿は、下園壮太『不安がりやさんの頭のいいゆるみ方 ――自衛隊メンタル教官がすすめるプチ楽観主義』(さくら舎)の一部を抜粋・編集したものです。
1人よがりのネガティブ思考を捨て
「他人に何かを頼む練習」をしよう
■不安の第1段階=通常警戒レベル
■不安の第2段階=不安が頭から離れず夜も眠れない
■不安の第3段階=ネガティブ思考がどんどん拡大
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4つの偏った思い込み(信念)は「自分はダメ、世の中は搾取的、他人は自分を攻撃する、未来は危険」というもの。不安の第2段階になったときはこの思い込みが非常に強くなるので、人を頼れといっても難しくなります。
これを事前に少しでもゆるめておけば、第2段階になったときでも他者を頼りやすくなります。
そこで、元気なときから少しずつ人に「何かを頼む練習」をしておくとよいのです。
スポーツやサークルなど集団での活動をやっていると、それぞれの役割を持つ人が協力しあって、全体の力になることを実感できます。1人では動かない物事も、他者の力を信頼して、互いに頼りあう(=協力しあう)と動く、という環境に慣れることができるのです。
昔は生活すること自体が困難だったので、いろいろなところで互いに助けあい、頼りあって生きていかなければなりませんでした。昭和の頃は、お醤油がなければ隣から借りてくるのが普通だったのです。
ところが、いまはなんでも1人でできてしまいます。人に頼るより、コンビニで、お金で、つまり自力で解決できてしまうのです。
便利で気を遣わないという利点はありますが、そうなると、もともと他人が怖い不安がりやさんは、他人に頼ると「自助努力を放棄してダメになるのではないか」と思うだけでなく、「弱みを見せた部分を攻撃されてしまうのではないか……」という過剰な不安を抱えてしまいがちなのです。
そうなると、「他人は自分を攻撃する」という思い込みを訂正する機会も少なくなってしまいます。ましてや、スポーツやグループ活動、チームでおこなう対戦ゲームなどのような集団活動に触れる機会が少なかった人が、社会に出て、しかもうつっぽくなったときに、人に頼るというのはかなりハードルの高い行動になってしまうのです。