ダイエットで失敗を繰り返す人々が注目しがちな「即やせ」。しかし、長期的にみて、身体的にも精神的にもデメリットが大きいダイエット方法だということをご存知だろうか。断食や糖質制限を頑張って1週間で2㎏を落としても、そのほとんどは残念ながら脂肪ではない。それでもなぜ人は「劇的大変身」に惹かれてしまうのか?その答えは脳の仕組みにあるのだという。本稿は、mikiko『ニュージーランド式 24時間やせる身体をつくる ベストセルフダイエット』(Gakken)の一部を抜粋・編集したものです。
「即やせ」はなぜ
失敗を招きやすいのか?
「即やせ」はダイエットでよく登場するキーワードですが、多くの人が努力の方向性を間違えるきっかけになっています。短期的に劇的な効果が出る方法がいかにも正しいような気もしますが、1年以上で見てみれば長期的に失敗・リバウンドにつながるものになりやすいのです。
その理由は、即やせは長期的に続くようには設計されていないから。成功の定義も「2カ月で5kg減らすこと」などと、1年以上先のことには触れていないことがほとんどであり、とにかく短期間に数字で結果が出ることに焦点が当てられています。その後にリバウンドしようと、ダイエット開始時よりも体重が増えてしまおうと、関係なく“成功事例”として語られるでしょう。
こうした短期間での劇的変化をうたうメソッドは、エビデンス(科学的根拠)に使っている研究も、8~16週間で調べたものが多く使われています。
しかし、強い薬には強い副作用がついてくるのと同じで、短期間で体重やライフスタイルを大きく変えようとすると、身体的にも精神的にも大きな負荷がかかります。一時的に体重は落ちるかもしれませんが、長期的にはホルモン・代謝・筋肉量に悪影響が生じてしまうリスクがあるのです。つまり、今即やせすることは、未来で太りやすい身体になる可能性があるということ。
これから先数カ月のことしか考えずに目標を設定すると、未来の自分が借金を抱えることになりかねません。そんな“努力”でダイエットとリバウンドを繰り返すことで、どんどん「頑張ってもやせにくい身体」が出来上がっていくことも。こういったリスクや副作用は、紹介されることはほとんどありません。薬には必ず副作用の説明が入っているのに、ダイエットサービスにはその義務がないのです。
1週間で落ちる2kgは
「水分」と「胃腸の内容物」
即やせ情報を見た時は、飛びつく前に「そうか、2カ月でそんなに結果が出たのか。で、その後の1年はどうなったの?」と疑問に思って、調べたり問い合わせたりする癖をつけるようにしましょう。