「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる夢を行動に変える方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「やればできる」と信じられるノウハウを紹介する。

人生で後悔する人が必ずやっている「先延ばし」を克服する方法Photo: Adobe Stock

「目の前の満足感を求めるサル」に対抗するには?

 人生に後悔する人は、みんな何かを先延ばししています。理由はさまざまです。完璧主義だから、失敗が怖いから、情熱が足りなくて、余裕がないため……。

 理由はさまざまでも、先延ばしして後悔するのは共通しています。先延ばしは、人生においていいことはありません。「後でやろうと思った」と弁解するかもしれません。

 ティム・アーバンは、「Wait But Why(待って、でも何で?)」という人気ブログを運営する作家です。彼のTEDの講演「先延ばし魔の頭のなかはどうなっているか」は、先延ばしの悪循環を断ち切る答えになるかもしれません。

 彼の講演によれば、人間の頭のなかでは「合理的な意思決定者」と「目の前の満足感を求めるサル」が、絶え間ない戦いを繰り広げています。そして、たいていはサルのほうが勝利を収めます。

 サルは、こうささやきます。「そのつまらない仕事を放り出して、ちょっとだけ遊ぼう。まだ時間はたっぷりあるから、明日に延ばそう」と。やるべきことを先延ばしする人は、このサルに人生の主導権を明け渡しているのと同じです。

 ティム・アーバンは、こう提案します。「サルに勝とうとせず、効果的にコントロールせよ。サルに遊ぶ時間を保証してやることで、いますぐやるべきことをやる時間を確保せよ」と。たとえば、いま面倒臭くても、「今日の午後までにやってしまって、夕方になったら遊ぼう」などと、短期的な期限を決めておけば、サルをコントロールしやすくなります。

 誰の頭のなかにも、目の前の満足感を求めるサルがいます。先延ばしにする癖を、自分の無能さや怠け癖のせいにしてはなりません。人間の自然なこととして受け入れ、サルと共存する道を探るのです。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)