喫煙所で起きている「クローズドな会話」

JTCでは、タバコを吸う人たちだけの独自のコミュニティがあります。

「たばコミュニケーション」とも呼ばれているそれは、実はタバコを吸わない人からすると想像ができないような有益な情報に溢れています。喫煙所では、単純な世間話だけでなく、人事の話や仕事の話も繰り広げられているのです。

これは、喫煙所というちょっとクローズドな空間であることと、同じ趣味(タバコ)という連帯感が生まれていることが要因であると僕は考えています。個室の居酒屋でしっぽり少人数で飲み会をするのと同じ効果です。クローズドであるというところもポイントで、僕が勤めるメガバンクでは、とある部長が部下を喫煙所に連れてって、その場で「お前、〇〇部に興味ある?」みたいな会話からその場で人事が決まったりすることも実際にありました。

タバコの時間は「雑談と仕事のちょうど境目」

したたかに出世を狙う人は、よくキーパーソンである先輩社員や上司と一緒にタバコを吸いにいきます。自分が「タバコの誘いを受けたら絶対に断らない人」というブランディングをすることでその先輩や上司のタバコ仲間の位置付けを確保するのです。

そうすることで、先輩からの仕事上でのコツやアドバイスをこっそり教えてもらったり、上司から人事の話を聞き出したりしているのです。

このように、喫煙所は、雑談と仕事のちょうど間くらいの話をする絶好の場になっているのです。

「タバコを吸う人」と「吸わない人」の差

中には、それでも「タバコは吸いたくない」人もいるでしょう。そこで実在するテクが「タバコは吸わずに、先輩に喫煙所までついていく」です。職場のタバコを吸う先輩が席を立ったら「タバコですか?」と言ってついていくのです。昔、実際にそういう中堅社員を見た事もあります。

ちなみに僕はタバコを吸いません。だから僕は「たばコミュニケーション」のメリットを享受できていないのが実情です。

もしあなたが喫煙所に行かないのであれば、少なくとも、このような会話を繰り広げて「自分より有益な情報」を持った同僚が存在することは理解しておいた方がいいでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を元に編集・調整・加筆した原稿です)

著者:最短出世中・現役エリートメガバンクブロガー たこす
本部公認で副業としてブログを運営する、年収1400万円の現役メガバンク行員。10年以上メガバンクという極限の環境で生き残り、最短で出世街道を歩んでいる。新卒で配属された支店で猛烈なパワハラ上司に理不尽に詰められ続ける過酷な労働環境の中、理系的な分析手法によって独自の「高コスパな仕事術」を編み出す。証券会社に出向して花形の投資銀行業務に携わった後、銀行に戻って上場企業を中心とした大企業営業を経験。現在も本部勤務を続けている。