正解:D社

D社は財務に問題あり!

 D社の自己資本比率(純資産比率)は11.2%しかありません。

 また、流動負債(1年以内に返済期限が来る負債)が、流動資産(1年以内にキャッシュ化できる資産)より大きいので、資金繰りに苦労しそうです。

 D社流動比率
 =27.8÷37.1×100
 =74.9%

C社は財務に問題ありません

 C社は自己資本比率が35.8%あり、流動資産が流動負債よりも大きいので財務に問題ありません。

 C社流動比率
 =38.6÷27.8×100
 =138.8%

 ただし、流動比率は138.8%しかありません。200%を超えるわけではないので、「財務優良」とは言えません。

 2010年に破綻した日本航空は、構造改革によって財務や収益力を改善してよみがえりました。

 ところが、2021年3月期と2022年3月期に新たな試練が待ち受けていました。コロナ禍による航空需要の落ち込みで2期連続の赤字。

 コロナの影響が低下した2023年3月期から黒字に戻りました。

2009年3月末時点の日本航空は「実質債務超過」

 この時の日本航空には「退職給付債務の積み立て不足」が3315億円ありました。

 従業員に将来支払うことを約束している年金や退職金に備えるための積立金が3315億円不足している状態です。

 この時の自己資本(純資産)は1968億円しかありませんでしたから、実質的には自己資本がマイナス(債務超過)でした。

 現在の会計基準では、退職給与債務の積み立て不足は、負債としてバランスシートに出す必要があります。ところが、当時の会計基準ではバランスシートに出す必要がありませんでした。

(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)