夏休みが終わればいよいよ入試に向けての仕上げの時期にはいってきます。どのようにして最終的な志望校を確定するのか、過去問はどのように進めればよいのか? 塾がお膳立てしてくれる最難関校はともかく、それ以外の学校を志望している子の親御さんは意外に情報がないといいます。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。

【中学受験のカリスマ家庭教師が教える】「偏差値が届いていないのに合格」「届いているのに不合格」を分ける超重要ポイントとは?Photo: Adobe Stock

最大の逆転要因は「過去問との相性」

模試で偏差値50のお子さんが、同じ偏差値帯の学校すべての過去問で同じような点数が取れるかと言えば、そうではありません。なぜ点数を取れる学校と取れない学校があるのか―その理由は「相性」です。

合否の鍵を握るのは、塾のクラスでも模試の偏差値でもなく、「過去問との相性」です。

ただし、“立体図形が苦手なのに毎年出題されるから点数が取れない”―これは相性が悪いとは言いません。毎年出題されるならば、立体図形に強くなるための勉強が必要です。このような「勉強不足」以外の要件で左右されるものが相性です。

本書では、その相性を客観的に測るため、算数の処理速度、国語の読解文章量、記述量などがわかる、3種の過去問マトリクス(算数1種/国語2種)を巻末(P.261~285)に用意しました。本章ではその使い方などを解説しています。

偏差値は届いているのに過去問が取れない、など「持ち偏差値」と「過去問の点数」に乖離がある場合は、この相性が悪い可能性があります。ぜひこのマトリクスを参考になさってください。

過去問を使ってすべき志望校対策とは

過去問を使ってすべき対策は次の3つです。

①出題傾向を知る
②対策を立てる
③本番を想定して練習する

これは入試に限らず、オリンピック選手やプロ野球等のコーチもしていることです。これを中学受験にあてはめると、親や塾の先生、家庭教師などがコーチに該当します。

①のやり方については前章でもお話ししましたので、この章では①を踏まえた上で②について、さらに点数としてアウトプットするために最重要である③について、お家の方がコーチとなって取り組んでいただくための方法を、実践的に、細かくご説明していきます。

過去問は「大逆転を可能にする最大のツール」です。ぜひ120%活用して、お子さんが悔いなく学力を発揮できる素地を作ってあげてください。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。