そして、他者が(オンライン上の見せかけだとしても)同意してくれるかを確認するために、ひっきりなしにスマホをチェックする(そういえば、私たちは自分のタイムラインが、できるだけ楽しくてすばらしい日常を送っているように見えるよう演出したものだと自覚しているが、他者が同じことをしているのは失念しがちだ)。

 こうしたことを考えあわせると、SNSの過度の使用と、うつ病の発症や自尊心の低下とが関連づけられるのも納得だろう。みずから進んで思春期の闇を追体験しているという事実には、納得できないかもしれないが。

 ユーチューブやネットフリックスといったプラットフォームが、次に見る(というより、見せられる)ものリストから、エピソードのつづきを自動で再生するのには理由がある。流れに逆らうよりも、流されるほうが楽だからだ。ひとつのエピソードが終わって5秒以内に次の動画が始まると、そこで視聴を終える可能性は低くなる(サービスによっては、この機能を解除できる。もし可能なら、一度オフにして視聴するコンテンツ数が変わるか試してみよう)。