奇跡は自分のなかにある、だから生まれ変わりさえすれば、きっと人生の逆転劇を起こせるに違いない――。「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「自分ならできる」と信じられるノウハウを紹介する。

なぜ、一流は人生の本質を探るために自然に触れるのか?Photo: Adobe Stock

意識的に人生を生きるために自然浴に行く

 イギリスのロマン主義詩人ジョン・キーツは『キーツ詩集』内の長編詩「レイミア」で、冷たい科学が虹を解体して、自然が持つ魅力を壊してしまったと述べました。ニュートンが虹の正体をプリズムの色によって説明したことで、詩的な感受性を抹殺したというのです。

 科学の急速な発展が自然の驚異を破壊すると考えた人もいましたが、いまも自然は驚異に満ちています。虹の秘密を知ったからといって、虹の美しさが消えるわけではありません。

 科学者のカール・セーガンは『コスモス』で、人間の存在がどれほど弱いものかを教えてくれます。私たちが住む地球も、宇宙ではただの青白い点(The pale blue dot)に過ぎません。

 永遠無限のような宇宙の時間のなかでは、私たちが生きているこの一生も、ほんの一瞬に過ぎないのです。

 ハーバード大学を卒業し、静かな森のなかで丸太小屋を建てて暮らしていたヘンリー・デイビッド・ソローは、著書『ウォールデン 森の生活』でこう語っています。

「私が森に入ったのは、意識的に人生を生きるためだった。つまり、人生の本質を探るためであり、人生から自分が何を学べるかを知りたかったからだ。そして死を迎えるときに、自分が本当の人生を生きたのだと実感したかったからだ」

 近くに山があれば、その頂上に登ってみましょう。あるいは、ふだんと違う脇道を歩いてみるのもいいし、海に出てクジラを狙うような冒険は無理でも、小川で魚釣りをするのもいいでしょう。とにかく灰色の街を出て、青い空と緑に囲まれた道を散歩してみましょう。目を閉じて、頬をかすめる風を感じてみましょう。

 悠久の自然のなかで、のんびりと過ごしてみれば、自分がどれほど小さな存在なのかがわかります。自然の驚異を目の当たりにすれば、愚直さと謙虚さを学べるでしょう。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)