「寒い」「暑い」「つらい」と正直に言おう

「職場が寒くて/暑くてつらい」
「生産性にも体調にも良くない」

 これを正しく主張しよう。前述の通り、筆者の違和感に共感し「じつは寒くてつらいと思っていた……」と本音を言ってくれた人もたくさんいた。なんのことはない、誰も主張していなかっただけなのだ。

 夏は暑く、冬は寒くて当然。皆耐えて当然。そんなことはない。「寒くて(暑くて)つらい」の一言から、個人が主張できる体質を組織に育んでいこう。

室温を理由に堂々とテレワークする

 テレワーク可能な人であれば、いっそ寒さや暑さを理由に積極的に自宅で仕事する権利を行使しよう。何か言われたら、毅然とこう伝える。

「オフィスは寒くて無理です。体調を崩します」

「職場が暑すぎます。熱中症になりたくないので」

 いずれも正当な理由である。会社側も少しは室温や職場環境に課題感を感じてくれることだろう。テレワークできるよう、仕事のやり方やプロセスを見直してくれるかもしれない。

 なお、当社のセカンドオフィスは陽当たりのよいビルの窓側にかまえているおかげで冬でも暖かく(浜松市の年間日照時間は全国トップクラス)、もの書きの仕事にも集中できている。

一歩踏みだす!

 ・職場が「寒くてつらい」「暑くて体調を崩す」と主張する
 ・気温を理由にテレワークを主張する

(本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

沢渡あまね(さわたり・あまね)
作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『職場の問題地図』(技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)など著書多数。