また、その西側に位置する日本海東縁ひずみ集中帯は海域にあるためGPSデータが得られないが、北米プレートとユーラシアプレートの境界に沿ってひずみが集中していると考えられる。ここで圧縮応力によって今回の能登半島地震の原因ともなった逆断層が形成され、これまで津波をともなう大地震を起こしてきた。

 こうした現象には、太平洋側のプレート沈み込みのように繰り返し発生する規則性がなく、日本海の海底地震はいつどこで起きるかの予測が全くといってよいほど不可能である。換言すれば、地震現象に再現性がなく、地震を引き起こす地球科学モデルがまだ確立していないため、予測と制御を目的とした防災対策が極めて立てにくかったのである。

日本海側の地震リスク
懸念されるのは防災対策の遅れ

 地震調査委員会は、日本海東縁部で30年以内にM7.5~7.8の地震が発生する確率を3~6%としている。これらの数字は確率80%の太平洋側と比べて低いと見られがちだが、活断層の地震では最も高いSランクに匹敵する。