軒並み緩和しそうな女子最難関校

 前回、首都圏男子校トップ3として、筑波大学附属駒場(筑駒)、開成、聖光学院を挙げた。中学受験界では「御三家」という言葉がこれまで幅を利かせてきたが、ポストコロナ禍の中学受験の現状を見ると、そうしたくくり方が崩れてきていることが実感できる。

 この点は女子校も同様で、首都圏女子校トップ3を挙げるとすれば、桜蔭豊島岡女子学園女子学院となるだろう。難関・上位校志望者が多くを占めるサピックスの偏差値で70を付ける女子校はなく、最高でも桜蔭の63であり、60を超えるのはやはりこのトップ3校となっている。四谷大塚の偏差値では、桜蔭71、豊島岡女子学園70~69、女子学院69となっている。

 躍進著しい聖光学院に比肩する女子校は、3回の入試を行っている豊島岡女子学園。事実上、神奈川女子トップ校になった洗足学園もそうだが、複数回の入試を行うことで、最難関校での合格を得られなかった受験生もうまくすくい取っている。

 男子校では、東京大学合格者数の変動が中学入試の人気にダイレクトに反映する傾向がうかがえる。女子校の場合は、東大もさることながら、医学部を筆頭とした理系進学の占める割合が最近の人気を左右しているようだ。難関・上位女子校では、理系志望者が半分を超える学校も珍しくない。

 では、最難関女子校の25年入試の行方を占ってみよう。2月1日に1回だけ入試を行う桜蔭女子学院の四模試志望者数は、それぞれ1割減と1割弱減で、2025年入試はいずれもさらに緩和しそうな情勢にある。桜蔭の実倍率は23年に2.09倍となったが、例年1.9倍前後であり、24年1.97倍でも少しハードルが高めに感じるのかもしれない。女子学院の実倍率は22年2.57倍、23年2.35倍、24年2.27倍と徐々に緩和が進んでいる。その流れが25年も続きそうである。