前年並みが多く見られる難関・上位校

 これまで見てきた最難関校は、いずれも緩和傾向だった。四谷大塚の偏差値でいうと65前後の女子難関・上位校は、キリスト教主義の学校が大多数を占めている。共に女子校では最古の存在である女子学院とフェリス女学院を姉貴分とするこれら難関・上位校は、2025年入試でどのような状況にあるのだろうか。

 まずは最難関校の併願先として人気の鷗友学園女子と吉祥女子から見ていこう。いずれも入試を2回実施、1日に行う1回目の入試で第一志望の受験生を確保しようとしている。

 鴎友学園女子の[1日1回]は減少気味だが、25年は24年実倍率2.53倍からわずかに緩和する程度だろう。[3日2回]は微増で、24年実倍率3.27倍から25年は3.3倍に収まる程度だろう。

 吉祥女子の[1日1回]は1割弱減となっており、23年3.06倍。24年3.05倍と何とか維持してきた実倍率3倍を25年は割る可能性が大きい。一方、最難関校などとの併願受験も多い[2日2回]の志望者数は前年同期並みで、24年実倍率3.28倍を25年も維持しそうだ。

 女子学院の人気の併願先でもある東洋英和女学院も2回入試を行う。[1日A]の実倍率は22年2.14倍から23年2.31倍、24年2.59倍と着実に上昇してきたが、四模試の志望者数はいささか緩和している。一方、[3日B]は24年実倍率が5.65倍まで上がったこともあってか、志望者数は2割近く減少した。23年の同4.58倍程度に25年は落ち着くのだろうか。

 頌栄女子学院は[1日1回]が前年並みで24年実倍率2.08倍を25年も維持しそうだ。難関・上位校受験生にとって最後の頼みの綱である[5日2回]は微減。24年の同3.38倍が少し緩むくらいで、25年は23年の同2.75倍まで落ちることはなさそうである。

 2日に1回だけの入試を行う白百合学園は、付属小学校からの内部進学生の多さも含め、同じカトリックの雙葉と似た立ち位置にあるが、募集人員はさらに少ない60人。259人が受験した24年入試の実倍率は2.27倍だった。志望者数は上向き傾向にあるが、22年の同2.51倍まで25年には届きそうもない。