フェリスは実倍率2倍を維持できるか
豊島岡女子学園は3回の入試を行っている。高校募集をやめて収容定員も削減する一方で、理系教育への注力が功を奏している。桜蔭の妹分的な存在から、いまや比肩すべき存在となってきた。2025年入試から、算数・英語資格入試を導入する。実用英語検定が準1級以上で、算数が得意な受験生にとって、若干名の募集とはいえ、合格のチャンスは広がる。
[2日1回](左=入試日、右=入試名、以下同じ)の志望者数は減少気味で、24年実倍率2.32倍は25年に少し緩和しそうだ。[3日2回]は1日の難関校受験生が押し寄せることもあって、実倍率は22年9.87倍、23年7.95倍、24年6.71倍と驚異的な状況が続いた。志望者数は微減で、25年もほぼ横ばいとなりそうだ。
[4日3回]は難関校受験生にとって最後のとりでの一つだが、実倍率は22年10.31倍、23年7.3倍、24年6.31倍といずれもかなり高い。こちらは志望者数が2割半ほど減っているので、もしかしたら5倍程度まで緩和するかもしれない。
東京女子御三家のもう一校である雙葉は、小学校からの内部進学生も多く、中学での募集人員は桜蔭や女子学院の半分もない。2月1日一回だけの入試で、例年、実倍率3倍弱と高かった。四模試志望者数は1割弱減少しており、24年実倍率2.9倍から25年はさらに緩和しそうである。
神奈川女子校のトップの座を長年維持してきたフェリス女学院は、東京により近い川崎市の洗足学園に並ばれ、追い抜かれてしまった感がある。県内で唯一、2月1日1回だけの入試を維持してきたが、そろそろ入試戦略に工夫を凝らすタイミングかもしれない。22年2.18倍、23年2.15倍、24年2.02倍とじりじり緩和してきた実倍率は、志望者数1割弱減を受けて、25年入試ではついに2倍を割ることになるのだろうか。狙い目の入試といえる。