正解:②③が正解。わざと損したい投資家はいないので①は不正解。
TOB価格が安すぎると、別の会社から対抗TOBがかかることも
TOB価格が安すぎると、別の会社から対抗TOBがかかることもあります。
2020年、ホームセンター島忠に、同業のDCMホールディングスがTOBをかけた際、島忠経営陣が同意を表明したので、「友好的TOB」として成立確実と思われました。
ところが、後からニトリホールディングスがさらに高い価格で島忠にTOBをかけて驚かれました。
島忠経営陣にとって寝耳に水。敵対的TOBとなるところでしたが、経営陣は後からニトリのTOBに同意したので友好的TOBとなり、島忠はニトリの傘下に入りました。
島忠の株価が、もともと買収価値から見てきわめて割安な水準に放置されていたから、このようなことが起こったと考えられます。
島忠は、財務内容が良好で、収益基盤もしっかりしていましたが、TOBがかかる前の株価はPBR1倍を大きく割れていました。
ニトリは、買値を大幅に上げて島忠の経営権を取得しましたが、決して割高な価格で買収したわけではありません。元の価格がきわめて割安だったからです。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)