過去の成功体験をもとに判断してはならない親としては、まずは我が子にいろいろな道具を使わせてみることです。自分は見たことがないような道具でも、子どもには躊躇なく使わせましょう。
たとえば、学習塾にも行かせ、サッカー、バスケットボール、体操、バレエ、ピアノ、絵画……と、無料でできる体験を見つけて、させてあげるだけでもいいでしょう。
それにともなって、親自身も、評価軸をたくさん持つことです。
富永雄輔 著
いろいろなことをやらせてみれば、その子に向かないこともわかってきます。そのときに、向かないことはとっとと評価軸から外してしまえばいいのです。評価軸をたくさん持っていればどんどん捨てられますが、少ないとそこにこだわって失敗します。
親としては「音楽の能力を伸ばしてあげたいな」と思っていたのに、ピアノもバイオリンも苦手そうだとわかったら、音楽については忘れてしまいましょう。そして、ほかに目を向け、「美術的なセンスがいい」とか「文学が好きそうだ」とか、子どもが輝く要素を見つけ、大いに評価してあげてください。
このように、評価軸をどんどん変えてしまっていいのです。
「軸を変えてしまったら正確な評価ができない」というのは古い価値観で、そもそも、なにが正解かわからない激変の時代には、柔軟すぎるくらいに親もどんどん変わっていかねばなりません。