まずは3%の体重減で
生活習慣を整えよう

 細谷先生は、生活習慣を整える上で分かりやすい指針となるのが体重だと話す。

「私はよく『まずは体重を3~5%減らしましょう』と言っています。生活習慣や食生活を見直しているのに体重が増えることはありません。体重が減るのは節制できている証拠です」

 3%の体重減で正しい生活習慣を身につけたら、医師に相談しながら各自の適正体重まで落として維持しよう。元の生活に戻って以前の体重に戻ってしまわないように注意したい。

 年齢を重ねるにつれて体重が増加し、尿酸値が上がり、痛風の発作を起こす人が最も多いという。細谷先生の患者さんの実例をもとに、典型的なパターンを聞いた。

「学生時代は運動部に所属していて身長170cm体重60kgだったある男性は、大学を卒業して会社に入ると、忙しくてほとんど運動をしなくなってしまいました。加えて外食や飲みに行く機会が増え、30歳の頃には80kg超に。その後も仕事上の付き合いで飲みに行く機会が増え、部下もできてストレスはたまる一方。35歳で体重は90kg、尿酸値も7.0を超え、健康診断時に『尿酸値が高めですよ』と注意を受けますが、特に症状がないのでそのままの生活を続けていたところ、40歳になった時点で尿酸値8.0を超え、ある日ついに痛風の発作を起こしてしまいました」

 また、痛風の発作は夏場に起こることが多い。発汗による脱水状態で尿の出が悪くなり、尿酸の排泄が悪くなるほか、血液も多少濃縮するので普段より尿酸値が高くなりやすいのだ。夏の夜に発作が起き、朝起きたら足がパンパンに腫れて痛くて歩けず、クリニックで検査をして痛風だと診断されるというケースは珍しくない。