長野の冬は寒い!
事前に先輩社員からアドバイス

 Iターン就職者の誰しもがこれほど現状に満足しているわけではないだろう。それでも、自ら決めた選択肢によって、これほど健やかな働き方が体現できている加藤さんの事例に、希望を見出す人は多いのではないか。

 最後に、Iターン就職や地方移住に関するメリットを、加藤さんに聞いた。

「生活コストが安いことに尽きるでしょう。都内と比べて家賃が格段に安いので、同じ給料でも少しぜいたくができますから。また、たいていの物件に駐車場が付いているので、車を持ちたい人にもおすすめです」

 デメリットについてはどうか。加藤さんはしばらく考えてから、「世田谷区で暮らしていた頃と比べて、ゴミをより細かく分別して捨てなければならないことくらいでしょうか」と口にした。

 地方で働くことで大切なのは、自分が目指すライフスタイルと環境がマッチしているかどうかだろう。夜な夜な酒場に繰り出したいなら田舎暮らしは不向きであるし、自然を求めるにしてもそれに見合ったロケーションが必ず用意されているとはかぎらない。

「だからこそ、あらかじめ移住候補地の様子をちゃんと知っておくことは大切だと思います。たとえば長野では、冬は車のフロントガラスはもちろん、給油口まで凍ってしまいます。僕の場合、こうした環境面のことは事前に先輩社員からたくさんアドバイスをいただきました」

 備えあれば憂いなし。すべてのIターン希望者に、肝に銘じておいてほしいアドバイスである。