多くの小論文試験やレポートで、「~字以内」「~字以上~字以内」「~字程度」などの字数指定があります。しかし、たとえば「500字以上1,000字以内」という指定があった場合、何字書けば良いのか不安になりませんか? 新刊『落とされない小論文 増補改訂版』著者の今道琢也氏が、「何字書くとよいのか」を採点者の視点から解説します。(構成・画像/ダイヤモンド社 今野良介)

知っておきたい字数の目安

小論文試験では、大抵の場合、解答字数の指定があります。

主に、「~字以内」「~字以上~字以内」「~字程度」といった指定がされます。

それぞれどれくらいの分量を書けば良いのか、目安を知っておきましょう。

「1,000字以内」
最低800字。900字以上が理想

少なくとも上限字数の8割は書き、9割以上を目指します。7割を切れば明らかに印象が悪くなり、さらに短いと減点、最悪の場合は採点対象外になる可能性があります。「1,000字以内」の字数指定があるということは、「時間内に1,000字程度で文章をまとめる力が見たい」という採点者の意図が込められています。話をムダに引き延ばすのは論外ですが、上限に近い字数で、中身のある議論を展開できる力が求められているのです。

 

「500字以上1,000字以内」
最低800字。900字以上が理想

「1,000字以内」と、考え方は同じです。ただし、「500字以上」と下限を設定されると油断するのか、500字を少し超えたところで終える人がいます。制限字数ギリギリの答案は意欲が疑われ、評価を下げる可能性があります。内容が飛びぬけて優れていれば、下限ギリギリでも良いかもしれませんが、そのような答案はまず見かけません。書き始める前に上限近くの字数を想定し、十分な素材を準備しましょう。

 

「1,000字程度」
900字~1,100字

1,000字のプラスマイナス1割の範囲に収めます。ただし、「程度」という幅のある指示なので、プラスマイナス1割から多少の過不足があっても許容されます。
「500字以上1,000字以内」の小論文は何字書くべきなのか?指定する側の意図を想像しよう

このほか、試験によっては字数指定がない場合もあります。

そのような場合は、「このくらいの制限時間であれば、これくらい書くのが普通である」、という大まかな目安を知っておくと良いでしょう。

試験時間60分の場合:目安 800字~1,000字程度
試験時間90分の場合:目安 1,200字~1,500字程度

上記はあくまで目安ですから、もっと書けるのならば書いてもよいです。なお、下限の字数より大幅に少ない状態は避けるようにします。

『落とされない小論文 増補改訂版』では、このような基本的な書き方のルールのほか、受験者がやりがちなミスとその改善策を「before→after形式」で解説し、最短で合格ラインに到達するためのスキルと知識を網羅的に解説しています。