元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
想定外の事態に対応する
市場というのは「過去の経験則から、この株価が妥当である」といった値動きをするわけではありません。
さまざまな投資家の思惑が絡み、想像以上に安くなったり高くなったりすることがあります。
一時的な株価の高騰の例でいえば、中古車販売のグッドスピード(2024年8月に東京証券取引所グロース市場から上場廃止)がありました。
売り時にしか見えないタイミング
2019年に上場し、2021年には株価2600円を突破しましたが、2023年に同業の中古車販売のビッグモーターによる保険金水増し請求に連動するかのように、グッドスピードも事故修理費用を水増し請求していたことが発覚。株価は600円台にまで急落しました。
ただ同年12月には、一時900円まで株価が回復。これは英投資ファンドのニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドが、グッドスピード株を5%以上保有していることが大量保有報告書により明らかになったからでした。
グッドスピード自身は何も変わっていないのにもかかわらず、株価が急伸。こんな材料は私にとっては売り時にしか見えませんでした。案の定、1か月も経つと、700円台に下落していきました。
「期ずれ」とは?
逆に一時的な株価の下落でいえば、投資向けマンションを開発・販売するグッドコムアセット(3475)の例があります。
売上高が「期ずれ」してしまったため、2023年12月には非常に見た目の悪い決算を発表しました。
その年に計上するべき売上高や利益を前年や翌年に計上することを「期ずれ」といいますが、グッドコムアセットは約400億円規模の物件売却が期ずれしたため、一時的に業績未達となり、期初からの配当予想を据え置いたのでした。
その結果、株価は1000円台から600円台まで下落してしまいました。
絶好の買い時
ただよく考えてください。「期ずれ」しただけということは、しっかりと会社の売上高は立っており、来期にはその分が上乗せされることが明白なわけです。
それなのに株価が急落したのは、一時的な減収の数字しかみていない投資家が多すぎるからでしょう。私は「これは買い時だ」と思って買い増しました。
常識的に考えて判断する大切さ
案の定、2か月も経たないうちに200円ほど値を戻しています。
一時的な株価下落にしても、株価上昇にしても、けっして深い経済知識や思考力を必要とするものではないと思います。
常識的に考えて当たり前だと思うようなことは、往々にして当たるものです。
※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。