志望者増が目立つ「千葉御三家」
元男子校の市川(市川市)は、共学化後に始めた幕張メッセ会場での受験者数が全国一だった時代もある。今では栄東のA日程に大きく差をつけられたものの、千葉県内では最多の受験生が一堂に会する風景はこの入試回でしか見られない格別のものだ。
[20日1回]は24年に2537人(うち女子は862人)の受験生が集まった。志望者数は微減であり、2025年は少し倍率が低下するかもしれない。24年の実倍率は2.46倍で、23年2.5倍、22年2.25倍だった。
1回での募集定員は、これまで男子180人、女子100人としてきたものを、25年は男女280人と変更した。女子受験生が増える契機となるかもしれない。受験者数を見ると、23年は2608人、22年は2369人、21年は2399人と、直近2回は大きく増やしているが、渋幕同様、こちらも20年は2706人もいたので、300人ほど21年に減らした。
[2月4日2回]の志望者数は1割増で、24年実倍率9.94倍から25年は10倍に乗せそうだ。23年の6.19倍と比べると、だいぶ厳しい。こちらの募集人員は男女40人である。
千葉では年内に推薦入試を行う学校がある。東邦大学付属東邦(習志野市)も12月1日に実施している。募集人員と同じ40人の合格者に対して実倍率14.95倍と非常に狭き門で、例年も15倍前後となっている。志望者数が2割強も増えているので、25年は15倍超えが確実に思える。あまり語られないのだが、系列の東邦大(東京・大田区)の医学部医学科に20人ほどの内部推薦枠がある。募集人員の合計は300人と大規模校ではあるものの、この点は他に例を見ない手厚さである。
[21日前期]は、24年に2143人(うち女子は804人)が受験し、実倍率は2.2倍だった。例年2.2倍前後と安定している。志望者数は微増なので、25年も同程度の倍率になるのだろう。[2月3日後期]は2割弱増えており、24年実倍率17.25倍が、25年は23年20.77倍に迫るかもしれない。
“千葉御三家”と仮に呼ぶと、渋幕、市川、東邦が当てはまるように思えるが、渋幕が頭一つ抜けた感もあるので、代わりに渋幕と敷地を接する昭和学院秀英(千葉市美浜区)を入れてもいいかもしれない。
10日に行われる市川の幕張メッセ会場入試は、午後1時には終わる。お昼ご飯を食べたら、午後2時半開始の昭和学院秀英[午後特別]に歩いても間に合う。24年実倍率4.37倍とハードルは高いのだが、24年は669人(うち女子は326人)が受験している。志望者数が1割強増えているので、25年は4倍半前後になりそうだ。
24年に1213人が受験した[22日1回一般]は実倍率3.16倍もあるのだが、志望者数が2割弱も増えており、25年はさらに厳しくなりそうだ。[2月3日2回一般]は微増なので、24年実倍率7.83倍が25年も引き継がれそうだ。ちなみに23年の実倍率は15.15倍もあった。
ここまで見てきた4校は、いずれも2月に2回目の一般入試を行うことで、優秀層の確保に余念がない。