柏の人気校「芝工柏」と「麗澤」
ここからは上位・中堅校について見ていこう。県内のもう一つの公立中高一貫校である千葉市立稲毛国際もこのランクに当てはまるが、私立ではJR常磐線沿いの松戸や柏にある大学の三つの付属校が挙げられるだろう。いずれの学校も人気上昇傾向にある。
東京の芝浦工業大学付属と兄弟校である芝浦工業大学柏(柏市)には三つの入試回で、筆記試験に加えて約20分の個別面接もある。若干名募集の国際生入試が同じ日程で組まれているのも珍しい。それぞれの募集人数と2024年入試の状況を見ながら、志望者数動向から25年の入試について考えてみたい。
[23日1回]は4科で100人、4科に英語を加えた5科で10人を募集している。高校入試のような5科をどのくらいの学校が取り入れるのかは興味のあるところだが、本校はその先鞭(せんべん)をつけた学校の一つということになるだろう。志望者数は1割半増で、受験者数が24年の995人(うち女子は303人)から25年には1000人超となりそうだ。24年の実倍率2.18倍は、23年の2.89倍までは行かないものの、25年はさらに上積みされそうだ。
受験者数が1回の半分弱となる[27日2回]は、5割強も志望者数が増えており、22年の6.11倍に届くかどうかはともかく、24年実倍率4.15倍からは大きく25年に伸びそうな状況にある。もう一つ、[2月3日3回]は約15人を募集する。24年には出願者の4分の1、86人が受けて実倍率は3.31倍だった。人文社会系と理数系のテーマで二つの課題作文を課し、集団面接も行う。志望者数は4割弱増で、23年の7.31倍はともかく、25年は4倍には乗せそうである。
系列の大学と同じキャンパスにある麗澤(柏市)は、難関国立大学を目指すAE(アドバンスト叡智)と多様な進路のEE(エッセンシャル叡智)という二つのコースで募集している。全体的に倍率が高い。志望者数も増加している入試回が多いので、25年はさらに倍率が高まりそうだ。入試回は24年の4回から25年は3回となる。募集人数は150人で変わらない。なくなる[2月1日4回]は、24年に127人が受験して、合格者は17人という厳しいものだった。
24年の受験者数・実倍率と志望者数の増減をそれぞれ見ていこう。[21日1回]はAEが331人・3.99倍、EEは410人・3.36倍で、2割強と1割半増えている。[25日2回]はAEが230人・2.47倍、EEは248人・4倍で、AEが1割半増に対してEEは1割減となった。[28日午後3回]はAEが149人・5.52倍、EEが200人・5倍で、こちらはAEが7割も増えているのに対して、EEは微減となっている。