首都圏にある中高一貫の男子校と女子校についてこれまで見てきた。今回からは共学校を取り上げる。首都圏の一般入試は、1月10日の埼玉から始まる。埼玉共学校の2025年入試での人気動向を予想してみたい。(ダイヤモンド社教育情報)
程よい倍率がそろう埼玉の入試
2025年中学入試は、中堅・中位校を中心に人気が上昇する傾向にある。6月から7月に実施された四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の志望者数合計を前年同期と比べ、24年や23年入試での実倍率も参照しながら、埼玉の25年入試の競争状況を考えてみたい。
男子校編と女子校編で見てきたような難関校は、埼玉の共学校にはない。同じ学校内の一部の入試回で、難関・上位校に相当する偏差値が付くのみだ。校内でもコース別のクラス分けをする学校が多いので、成績上位層向けの入試として設定されている。
第一志望校は東京や神奈川にある受験生も、実力を試す模試的に埼玉の学校を受験することが多い。合格しても入学する受験生の歩留まりは高くないので、埼玉では合格を多く出す傾向にある。その結果、実倍率は2倍前後もしくは1倍台半ばあたりに集まることになる。
埼玉には二つの大きな学校法人がある。一つは佐藤栄学園であり、もう一つは開智学園である。後者については、創業者であり、現在も各校を統べている青木徹理事長のインタビュー記事を3回にわたり掲載したので、そちらも併せてご覧いただきたい。