日本の人口は100年後に現在の3割へ減少、
500年後はほぼ絶滅している?

 そこで、出生率の低位推計の結果を見ると、100年後に総人口は3600万人となっている。これは100年後に人口が28%に減少することを意味する。そこから、もう100年経過した今から200年後は、3600万人×28%となり、約1000万人となっている。現在の人口の8%で、今の都区部の総人口とほぼ同じになる。ちなみに、300年後は300万人で、400年後は90万人(世田谷区とほぼ同じ)、500年後は30万人となり、その頃には日本人が絶滅している可能性だって否定できない。

 これを人口が少なかった時代に時間を巻き戻して考えてみよう。100年後の3600万人は明治時代に逆戻りしているし、200年後の約1000万人は江戸時代以前の室町時代に遡っていることになる。そうなると、東海道を旅行するのも相当な時間とコストがかかるだろう。これまで発展してきた鉄道網は不採算路線から廃線になり、人口が今の4分の1なので運賃は数倍になり、新幹線の本数はかなり間引かれていて、リニアは無用の長物となっているかもしれず、日常の主な移動手段は自転車であるかもしれない。

 私たちは発展し続ける社会しか知らない。GDPの6割は個人消費なので、国内の経済は今後衰退することは避けられず、縮小する経済の中で、これまで当たり前にあったことさえ諦め始めなければならない。今までのように赤字国債でお金をバラまいていたら、国の財政は破綻し、貨幣価値が落ち、為替は超円安となり、1ドル1000円では済まないかもしれない。

 国民は老若男女極貧生活を強いられ、真面目な性格から世界の下請け工場に位置づけられるかもしれない。国防ができる経済水準ではないので、侵略を受けることになったら、もっと疲弊することも考えられる。日本人・日本国の存続危機は、100年後にはかなり深刻な状態になっていることは間違いないだろう。