和田:その後、今度は1980年代からアメリカで心疾患を撲滅しようという動きが本格化しました。実はアメリカでは死因のトップがずっと心筋梗塞だったのです。そこで体重を減らし、コレステロール値を下げるために、なるべく肉食を減らしていく方向に舵を切りました。
そもそもアメリカ人は肉の消費量が日本に比べてとても多かったのです。1980年当時、アメリカでは1日300グラムの肉を消費していました。
我慢によるストレスは免疫の大敵
がんで死亡するリスクが高まる
和田:同時代の日本だとわずか70グラムだったのですが、日本の愚かな医者たちが、アメリカの医者が肉の摂取量を減らせと言っていることをそのまま真に受けて、同じように日本でも肉を減らせと言いだしたのです。
ところが、日本人で心筋梗塞で亡くなる人は、がんで亡くなる人のわずか12分の1くらいしかいないわけですよ。1980年頃には日本人にとって、脳卒中も心筋梗塞も取るに足らない病気になっているのに、過去の事例やアメリカの医療界にひきずられて、ずっと恐怖症が続いていたのです。