最も多くの選手を輩出した
「栄光の5校」とは?

 それではいよいよベスト5を確認していこう。

第5位 龍谷大平安高(京都府) 63人+今年2人指名

 戦前には平安中、昭和には平安高として活躍した同校は、龍谷大平安高と改称してからも14年選抜では優勝するなど、戦前から現在まで一定の人数をプロに輩出し続けている。
今年は西川史礁がロッテから1巡目指名を受けた他、田島光祐もオリックスから指名された(育成5巡目)。古くは衣笠祥雄(広島)、現役では高橋奎二(ヤクルト)らがOBだ。

第4位 広陵高(広島県) 71人+今年2人指名

 第4位は広陵高。同校もやはり戦前からの名門だが、プロ入りに関しては平成以降の方が勢いがある。

 今年楽天から1巡目指名された宗山塁も含めて、21世紀以降だけで8人がドラフト1巡目で指名されるなど、中井哲之監督の育成力には定評がある。OBは広島が多く、現役では野村祐輔(広島・24年引退)、上原健太(日本ハム)など。

 今年は渡部聖弥も西武から2巡目で指名されるなど、近年猛烈な勢いでプロ入り選手を増やしている。

第3位 横浜高(神奈川県) 78人+今年1人指名

 横浜高は戦後に創部した学校で、当然プロ入りしたのも全て戦後。しかも78人の多くは渡辺元智元監督が育てた選手で、渡辺監督はおそらく日本で最も多くのプロ野球選手を育てた監督であろう。愛甲猛(ロッテ他)、松坂大輔(西武他)など、高校野球史に名を残す選手も多い。

 渡辺監督辞任後は監督や部長の交代が続き動向が注目されていたが、その後も甲子園に出場してその地位を守っている。

 ドラフトでも昨年4人が指名され、今年は庄子雄大がソフトバンクから2巡目で指名された。いよいよ、第2位の座も射程圏内にはいりつつある。

第2位 PL学園高(大阪府) 82人

 第2位は80年代から90年代にかけて黄金時代を築いたPL学園高。PL学園高の創立は55年で、創部はその翌年。最後の年である16年までの61年間に82人というプロ入り人数は、1つの代から平均1.3人がプロ入りしているという極めて高い率だ。

 実際、80年代ごろには1つの学年から数人がプロ入りするのも珍しくなかった。

 しかも、ただ人数が多いだけではなく、清原和博(西武他)・桑田真澄(巨人)をはじめ、木戸克彦(阪神)、小早川毅彦(広島他)、立浪和義(中日)など多くの名選手をプロに供給してきたことで知られる。現役では去就が注目されている大リーグ・タイガースの前田健太がOB。

 平成期にプロ入り人数トップとなって以来1位を続けていたが、一昨年ついにトップから陥落した。というのも、13年秋に専任監督が不在となり、16年夏の府大会出場を最後に休部してしまったからだ。

 プロ入りしたのも、18年のドラフトで東洋大の中川圭太選手がオリックスに指名されたのが最後で、来年以降のドラフト候補にも同校のOBはみあたらない。

 野球部復活の動きもあるようだが、3位横浜高、4位広陵高の猛追もあり、2位の座も危うそうだ。