実験の結果、実行意図を明示するよう言われた学生たちは、実行のためのプランを立てなかった学生たちと比べて、定められた期限内での課題の達成率が2倍以上高かったことが示された。

 この事例は少々風変わりで、自分の個人目標の参考にはならないと思うかもしれない。だが、同教授はこのテクニックを使った94もの研究結果をレビューした結果、あなたが設定しそうなほぼすべての目標でこのテクニックは効果があることを示した。

 果物をたくさん食べる、公共交通機関を利用する、差別を減らす、運動をする、ダイエットをする、学業成績を上げる、禁煙する、リサイクルを推進する等々――いつ、どこで、どのように意図したことを実行する、というシンプルなプランを立てることは、このようなさまざまな目標達成の場面において効果的なのだ。

 このテクニックの一類型に「if-thenプランニング」と呼ばれる方法がある。これは「もしXだったらYをする」というプランの立て方で、挫折の要因を防ぐ効果もある。「帰宅時間が午後8時を過ぎていたら、仕事のパソコンは開かない」等がわかりやすい例だ。このif-thenプランニングは、必要な行動をいつどこでどのようにとるかを決めるのに効果を発揮する方法なのだ。